これまでのエンジェル投資から学んだこと (Investor School #06, Michael Seibel)

この記事は原著者の許可を得て翻訳・公開するものです。
原文:  Investor School (Y Combiantor)

目次

Geoff Ralston
次のプレゼンテーターは、彼が話したいことを簡単に話してくれます。

彼はJustin.tvの無能な共同創業者4人のうちの1人であり、自らSocialcamを創業し、それを数千万ドルで売却、そして今はY CombinatorのCEOであり、素晴らしい業績をあげています。ここにいるMichaelはほんとうに素晴らしい人で、彼の話を聞けるというのは非常に幸運です。

彼はこう言いました。

「まずは中途半端な v1 の不完全な解決策でも、ユーザーが喜んで手を出したくなるような問題を見つけること」

彼はそういうことに関して非常に詳しいです。Michael Seibel、どうぞ。

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Michael Seibel
それでは。今日は長い1日でしたね。ですので私は簡単に行きます。

エンジェル投資はシリコンバレーにおける慈善事業

まず最初に、この中にいる何人の方が、お金を稼ぐためにエンジェル投資を行っていますか?挙手をお願いします。手を高くあげて。

お金を稼ぐことは悪いことではありません。すばらしいことです。これから、私のエンジェル投資の経験にについてお話しますが、単刀直入に言って、私はお金のために投資を行っているわけではありません。

実際のところ、私は東海岸の出身で、そこでは人々が社会に何かお返しをしたいと思う時には寄付をしたりお祭り騒ぎに行ったりとかするのですが、私には理解できません。

不思議なことに、ここシリコンバレーでは、社会に恩返ししたい時にはエンジェル投資の小切手を切ります。これはが私が小切手を切る理由です。私はこれを慈善事業だと考えています。

ある人の例えでは、トイレに大金を流し、ごく稀に道端に100万ドルが落ちているのに出くわして「スッゲー!」ってなるようなものだそうです。これは私の見解です。このアドバイスを聞く上でそれを念頭に置いておいてください。

これまでの投資実績

私のスコアカードの現実的なビジョンをお伝えしたいと思っています。

私は、ここ4-5年、エンジェル投資を行ってきました。50社に対して投資を行っています。

4つのエンジェルファンドに投資を行い、また47社に投資を行いました。そのうちYCカンパニーではなかったのは3社だけです。46社はアーリーステージです。1つはレイトステージでした。それはRedditと言う名の小さな会社です。うまく行くことを願っています。

投資した50社のうち、4社はだめになってしまいました。投資したうちの1社、Cruiseは10億ドルでイグジットしました。12社はポストシリーズAで、6社は5,000万ドル以上の評価額がついています。

私自身は、自分がエンジェル投資家として優秀であるとは思っていません。私がYCに来てから投資をしなかった会社の中で、大きく成功したものもあることは確かです。ありがたいことに、私はYCで働いているので、彼らの株の一部を所有しています。そうやって私は夜眠りにつくことができるのです。

これまでの投資から学んだ教訓は、エンジェルでも「十分に大きな額を投資する必要がある」こと

私の教訓は何でしょう?エンジェル投資について最初に学んだことは、十分に大きな額の小切手をきる必要があるということです。面白いこととして、エンジェル投資をし始めたころにSamがこのことについて教えてくれたのですが、私は彼の助言を2年半も無視していたんです。

エンジェル投資の小切手をきる時に本当に考えなければならないのは、現実的なチャンスとして、リターンを得ることができるのか、そして数十億ドルでのイグジットの時に、どれくらいのお金を得ることができるのか、ということです。

もし投資した会社が10億ドルの会社になったとしても、投資家への見返りにあまり反映しない様な額の小切手を切る人達を数多く見てきました。

そこで聞きたいのが「じゃあ、なんでそんなことしてるんですか?」です。私は25,000ドルの小切手を切るという間違いを犯しましたが、私はもうそんなことはしないでしょう。

私はこう考えます。株式の希釈化や税金を想定した上で、10億ドルのエグジットをモデル化して、友人にその会社に投資したことを自慢する時に、頭の中で「あぁ、250,000ドルしか儲からなかったけどね」とため息をつかないで済むように、十分なお金を稼ぐべきなのです。

素早く投資するためのフローを作るべき

次に私が得た教訓は、素早く投資をするシステム、つまりはフローを作らなければならないということです。

決定を下すのに数時間か、1日か2日かかることはよくあります。しかしピッチを聞いて、すぐに書類にサインをしてお金を送金することができるように準備する必要があります。その準備の仕方を知らないなら、自分の銀行の担当者に相談してください。そうすればやり方はすぐにわかるでしょうから。

最も良い投資家はすぐにお金を出して、何も言わない

私たちがYCカンパニーにいつも言っていることの一つですが、グレードAの投資家は、すぐにお金を出し、書類にサインをして、それ以上は何も言わない、ということです。それがグレードAの投資家です。

世の中には、Aプラスの投資家は滅多にいません。A以下の投資家ならとてもたくさんいます。

あなたの書類へのサインが必要だからといって創業者を待たせたり、お金は今すぐには送れないんだ、ここにあるけど、取りに来てもらわなきゃ渡せないよ、なんていう人には投資家にならないでいただきたいと思っています。そんなのはいけません。このゲームに参加しているなら、小切手を素早く切るようにしてください。

FOMO友達ルールを持とう

そして最後の教訓は、共同創業者でもあるJustinが教えてくれたことですが、彼はそれを「FOMO友達ルール」(訳注:FOMO とは Fear Of Missing Out:機会を逃してしまうことの怖さ)と呼んでいます。

もし、あなたの友達が起業して、あなたがその会社が10億ドル企業になる可能性を逃してしまうのが怖いのなら、あれこれ言わずに小切手を送ってあげましょう。私も今までもっとそのルールに従っていれば、より裕福になれたと思います。

YC カンパニーに投資したいなら Demo Day の準備をしよう

最後に、質問を受け付け始める前にYCへの投資について少し。

最初に思いつくのは、Demo Day に事前リサーチなしで参加している場合は、より迅速に動く必要があるということです。すでにすべき課題を終えていて、会社について前情報をもっている人たちと同席しているのですから。

創業者がとても早く仕事をしていることに驚かないでください。なぜなら彼らの多くはお金を稼ぐことが第一の仕事であり、事前に宿題を済ませてきたのですから。

次に、皆さんも宿題をこなすことができる、ということです。これらの企業は頻繁にローンチされており、その多くは Demo Day の前に公開されています。それをブログで読むこともできます。Hacker NewsやTechCrunch、そしてProduct Huntでも彼らにについて読むことができます。

Demo Day の前に多数のYC企業に興味を持ってはならないなんてことはありません。皆さんは彼らに手を差し伸べることができます。彼らはすぐに会いたがってるわけではないかもしれません。彼らは Demo Day のあとまで待ってほしいと思っているかもしれませんが、皆さんが Demo Day から事を始める必要もないのです。

Demo Day の後にも関係を持ち続けて、次のラウンドに関わろう

最後に、Demo Day について言うと、Demo Day の後に起こることに対して、投資家が十分な時間をかけているとは思えないということです。往々に、非常に優良な企業にでさえ、Demo Day から6-12ヶ月後のシリーズAの前に資金提供することがあります。たとえ、Demo Day 当日に会社に投資する機会がなかったり、会社がそれに値するか判らなかったとしても、その創業者との関係を維持しておくこと。助けることができるようであれば、助けてあげてください。

多くの場合、皆さんは気づいていないと思いますが、後に投資する必要がでてくることが実際にあります。早々に取り組まないような人は、少し時間を置いて、6-12ヶ月後に投資をすることを考えるほうがよいのではないかと思います。間違いなくより高い評価額を支払うでしょう。ですが、対象企業について、より多くの情報が手元にあるはずです。

PB (Paul Buchheit) が言ったことの一つは、これは本当に強調したいのですが、Demo Day に一番盛り上がる投資が一番いい投資とは限らないことが多いということです。ほんとうに、よくあることです。

面白いのは、Demo Day に来る人たちが実のところそれほど賢くはないということです。私自身は、その場でうまく立ち振る舞って、投資したものに熱狂的な投資家から利益を得ます。

皆さんが創業者ならば、2,000万ドルのキャップで資金調達できるので素晴らしいでしょう。しかし言うまでもなく、私のバッチの中では、私の会社は決して最高の投資先ではありませんでした。Justinも私のバッチに入っていました。彼はキャップなしで資金調達し、超盛り上がっていました。しかし彼も最高の投資先ではなかったのです。

もし皆さんが私のバッチに投資したのであれば、Gustoという会社に投資したいと思うでしょう。今はかなりうまくいっている企業です。

さて、十分話しましたし、私の正直な経験談をシェアしたかっただけです。ご質問があればよろこんでお答えします、今日は1日忙しかったですね。ありがとうございました。

Q&A

Geoff Ralston
OK、どうぞ。

より大きなリターンのためには大きな小切手を切る必要がある

聴衆
(質問)

Michael Seibel
どれくらい大きな額の小切手を切るか計算しようとしているとき、面白いことにそのスケールはかなりうまくいきます。少ししかお金を持っていなかったとしたら、10億ドルの会社に出くわしたとしても、少しのリターンに甘んじざるを得ないし、影響も小さなものでしょう。お金をもっと沢山持っていたら、もっと多くのリターンを作る必要がありますし、大きな影響を与えるでしょう。それは本当に小切手の価値を増大させます。

私が学んだ一番のこと、そして変わった一番のことは、小切手の額が25,000、5万、10万ドルと大きくなっていったことです。Samがここにいたら、彼は25万ドルの小切手をきるべきだと言うでしょう。そうですね、世の中にはちょっと投資をすれば十分というものもあると思います。ただ、ほんのちょっとだけです。自分がしなければならないことが良いことかどうかについても、ちょっと真剣に考える必要があります。

Geoff Ralston
大きなリターンを得るには、より大きな額の小切手を切る必要があるということですね。

しかし、その点については、学ぶべきことがたくさんあります。一度この額だと決めたのなら、より大きな額の小切手を切ってはいけません。自分の中で確信を得たのなら。

もしあなたたちが今後エンジェル投資家としてのキャリアを考えていくのであれば、「オーマイゴッド、なぜ僕はJustin.tvに投資するんだろう?馬鹿げた考えじゃないか、創業者たちには才能がないし」と思ったときには、大きな額のチェックを切ってはいけません。

しかし、もしあなたがMichaelを見て、信じられないほど物をはっきり言う男だと気づいたとしたら。そしてJustinを見て「彼は凄い男だ」と、皆さんもJustinに会ったら彼はそういう男だと思うでしょうけど、「彼はノックダウンされても起き上がって殴り返していくだろう」と思ったなら。そうして、こう思うでしょう。「おっ、この男は...馬鹿げたアイディアかもしれないけど、でも、見くびらない方がいいかもしれない」と。彼らならできるかもしれないと。

そういう確信を得たら、より大きな小切手を書くべきです。確信を得るまでは、私はしません。もっと勉強するでしょう。

Michael Seibel
その他のご質問はありますか?

A+ の投資家は会社を正しい方向に向かわせる

聴衆
(質問)

Michael Seibel
A+な投資家になるにはどうしたらいいか? そうですね、例をあげましょう。

Socialcamは買収すんでのところで失敗しそうでした。A+の投資家がそれを正しい方向に導いたんです。かなり大きなインパクトでした。投資家が本当に大きな影響を及ぼすことは、非常に稀じゃないかと思います。

私たちに投資してくれたPaul Buchheit、彼がくれたアドバイスのおかげで、私たちはビデオシステムを作り、現在のJustin tv.があって、Twitchが存在します。それは大きなことでした。

本当にインパクトのある投資家が実際に会社の方向性を変えることができる瞬間はあると言えますが、それは非常に稀です。いつもYCのスタートアップ企業たちにはAクラスの投資家を狙うように言っています。自らをA+の投資家であると主張する投資家は沢山いますが、しかし、そうでないこともよくあります。その他の質問は?

YC に採択されたスタートアップでも成功率はそれほど高くない

聴衆
(質問)

Michael Seibel
いい質問ですね。YCカンパニーの統計はどうなっていて、どれくらいうまくいっているのか? 実際には、Aaronがこのことについて詳しいので、この質問に答えるのにふさわしいでしょう。

Geoff Ralston
彼は4日目ですね。

Michael Seibel
はい。その質問はAaronに聞くといいですよ。私が言えることは、大部分のYCカンパニーが失敗することをバッチで伝えているということです。それはキックオフミーティングでのPG (Paul Graham) からのメッセージでした。確かです。

私の記憶の中の数字では、シリーズAはデモ後12〜24ヶ月の間に起こる傾向があります。20%から30%の企業がデモの後、フォローアップ資金を調達します。

失敗の理由はすぐに判断しなかったことと、忙しかったこと

Geoff Ralston
Michael、あなたはYCの大企業の多くを見逃していたと言っていましたね。何が起こったんですか?あなたの評価の何が間違っていたかを簡潔に述べてくれれば、そこから得られる教訓があるはずです。なにが間違っていたのでしょう?

Michael Seibel
私の失敗の理由は、おそらく2つあって、そのうち1つについてはPB (Paul Buchheit) が既に話しています。

1つは優柔不断ですぐに判断をしなかった事。2つ目は、YCにとっては、奇妙でユニークなことだと思うのですが、私は忙しかったんです。たくさんの会社が私の助けを待っていました。

Demo Day に行った時、私が最初に考えることは、私がどの会社に投資すべきかということではありません。(YC に入った)私の会社たちが何をしているか、そして、彼らが本当にどうやって確実にうまくいかせるかということです。これは少し、皆さんがここで投資をするときとは違うと思います。

Geoff Ralston
私は本当にすばらしい投資をたくさん見逃してしまったので、ちょっとだけ説明させてください。

Michael Seibel
私よりもたくさん見逃してますよね。

Geoff Ralston
私は Michael 以上に見逃しています。それは本当です。

人々が忘れがちなことなんですが、素晴らしい投資家になるのはものすごく難しい事なんです。そんなにハードワークしたくない、という人が大半だとは思いますし、楽半分にやりたいとかもいらっしゃるかもしれませんが。

もしやるなら、もう一度言いますが、この道を歩まなければなりません。私は皆さんに矛盾したことを言いましょう。エンジェル投資をしているのであれば、絶対に避けたいのはエンジェル投資として働きすぎることです。

あなたが本当に成功したいのであれば、あなたの確信に対するセンスをより良くしてください。追いかけ、一生懸命働き、あなたが望む取引に入るために、十分に勉強してください。そうしなければ、その次の大きな取引を得る可能性は大きく減ります。他に質問はありますか?どうぞ。

パーティーラウンドは怖くない

Michael Seibel
パーティーラウンドが怖いか?いいえ、怖くはありませんよ。キャップテーブルで私が怖いのは、大規模で不平等な株式分割が起こった時や、創業者が会社の早期に大部分を売却してしまっていた場合です。

パーティーラウンドは全く怖くはありません。そのように言う人は、たぶん、本当にそれが怖くて、「はい、もっと多くの人に書類にサインしてもらう必要がありますね」と言います。さっさと書類にサインをしてくれるAランクの投資家であるかぎり、そんな問題にはなったことはありませんでした。Socialcamには30人以上のエンジェルがいたと思いますけれど。

創業者が持つべき株式は?

聴衆
(質問)

Michael Seibel
創業者がどれくらいの株式を持っているべきかについては、シリーズ Aをモデルにすると、20から35%の間で希釈化していて、シリーズ Bも20から35%の間で希釈化する予定です。

私は創業者がその後どうするのかを見ています。2ラウンドの後に、15から20%の出資をする創業チームを目指しているのであれば、素晴らしいイグジットをするために彼らはより仕事に精を尽くさなければならないでしょうし、モチベーションとしてあまり公平ではありません。そういう場合、私は少し慎重になる傾向があります。

興味深いことにYCでは、しばしばスタートアップを採択するときにやるべきことのいくつかは、キャップテーブルを整理することを手伝うこと、そして、以前の投資家に今の会社の設立方法が実際にパワフルであることを説得することを手伝うことです。それは実際によく私たちがやっている事です。

Acqui-hire は問題が多い

聴衆
(質問)

Michael Seobel
どのような才能があるかを特定する?どうやってそれを獲得するのかというところからですか?

Geoff Ralston
質問はですね、今日の大企業は、なんていうか、雇用かアクハイヤー(買収による人材獲得)の面で才能を見出すことに関して過去の企業よりも優れているかどうかですね。

Michael Seibel
そうですね。正直なところ、私はそれについてはわかりません。実際に成功する買収を行うために必要な数々のことは、どんなに賢明な人にとっても、多くの問題を引き起こしてしまうと思います。

Geoff Ralston
大企業がスタートアップの創業者とその才能をどのように評価するかという点で質的に何も変わっていないように思います。

覚えておくべきこと、念頭に置いておくべきことは、スタートアップの創業者はとても雇いたいとは思わないような人だったりすることが多いです。必ずしもそうではありませんが、特に有能な創業者とかはしばしばそうです。

Michael Seibel
ほんとうにそうですね。では次、後ろの方? 

投資プロセスへのアドバイス

聴衆
(質問)

Michael Seibel
「YES」となるためのプロセスへのアドバイス。1つ言いたいのが私たちが「YES」に至るのは、あなたが「YES」に至るのよりもずっと簡単だということです。YCが徐々に良くなるカンパニーに資金を提供するのは簡単です。

エンジェル投資家のサイドから見ると、私が考えていることの一つは、野球について少し考えているようなものです。バッターボックスに立つと、ストライクでアウトになってしまう可能性が高いと思うでしょう。一塁まで進める気がしないんです。私は落ち着いた気分になることなんですが。

私が人間として可能な限りの厳密さで知恵を絞っても、打率はとても低いままなんです。人はこのような判断を下すのに考えすぎてしまう傾向があると私は思います。

私は一人の投資家と話しました、彼は200万ドルの小切手を得るためには、彼らはこの会社がどうなっていくのかということについて100ページの書類を作らなければならないと。私にとっては「うわ、衝撃的」という感じでした。それはプレローンチの会社だったんですよ?おそらく時間の無駄です。

平静を保って小切手をたくさん切るためには、プロセスに十分な自信を持っていなければいけないと私は思います。ですが、分析には収穫逓減があるとも私は思っています。おかしいですよね。Geoffも示唆していましたが、このゲームで達人になるのは非常に難しいことです。

だから私の心の支えになっているのは、どうなろうとその創業者の人生にインパクトを与えたと言うこと、たとえ彼らが10億ドル企業に成長しなかったとしても私は彼らの挑戦を手伝っているということです。誰かが私が挑戦するのを助けてくれたように。

なので、たとえ全部がうまくいかなくても、少なくとも私はこのサイクルを続けて、価値を作り、人々がこういった機会を得られるような場所を作り続けます。これが、私の中では、エンジェルとしてのとても大きなモチベーションです。

Geoff Ralston
OK、では最後の質問です。Markさん。

YC の秘密はオープンさと「才能が集まる」というブランド

Mark
(質問)

Michael Seibel
YCのソーシングはどうなっていますか?ですね。

YCのソーシングに2つの秘密の力があると思います。1つはオープンアプリケーションプロセス。投資家の方たちは、よい創業者としての重要な特性は投資家とのネットワーキングスキルを持っていることだと信じているのではないでしょうか。

YCの最初の立ち位置としては、そうではないと考えています。特にお金においては、比較的低コストで比較的大きな影響を及ぼすソフトウェアを書くことができます。ネットワーキングの価値や大きな資金調達が可能であるということは、それほど重要ではないと考えています。これが一つ目の大きな秘密です。

もう一つ、PB (Paul Buchheit) が示唆した大きな秘密ですが、私がMITに行って話をする時、私の弟が今そこにいるんですが、私は基本的にこう言います。

「この学校の評価を持ち上げているのは何なのか。建物、教授、行政なのか、それとも学生なのか。」

同じ学生をCレベルのエンジニアリング学校に入れてみましょう。国内最高のエンジニアリング学校になりますね。ということは、あなたがしなければならないことは、学生を動かすことです。

ある面白い方法で、PG (Paul Graham) は早い時期にハードルを非常に高く維持していたと思います。そうしなくてもよかった時期にですが。

でも、もしYCに行ったら、とても才能のある人たちに囲まれるだろう、と人々に思わせるトレンドをつくりました。私たちがそれを台無しにしない限り、それがなんどもなんども繰り返されると思います。すみません、2つめの質問はなんでしたっけ?

 

聴衆
(質問)

Geoff Ralston
Michael, もう一度質問をお願いします。

Michael Seibel
私たちがYCの内部でどのように私たち自身を評価するのか、ですね。

フィードバックを得るまでには時間がかかりますから。面白いポイントですね。ここですることですが、私が最初に入ったときに目にしたことは、自分がどのように感じるかを自問することでした。

私は2012年の夏が終わってからジョインしました、そのバッチがYCを殺した時です。まるで爆弾が爆発したかのようでした。パートナー達は悪い夢でも見ている様な表情でした。明らかにそのバッチのやっていることの何かが上手くいっていませんでした。

会社のせいだとは言いません、すごい会社ばかりでしたが、その数の会社を再び受け入れるためには、明らかに何かが組織として変わらなければなりませんでした。それが非常に重要なことだと思います。

最近では、シリーズ Aプログラムを導入し、企業がシリーズAを調達する手助けをしています。それによって、デモ日から次のステップへの道のりをより注意深く進むことができるようになりました

YC は卒業生とも時間を共有している

最後にお伝えしたいことは、時間とともに明らかになることですが、私たちは卒業生と多くの時間を共有しているということです。(忙しいから)捕まえるのは難しいんですよ?

一度YCのような会社のグループパートナーになれば、その会社はさまざまな形であなたと関わることになります。彼らは何度も戻ってくるでしょう。新しいクラスに取り組む必要はありますが、前のクラスの方達にもフォローを入れています。そうやって、先人の経験から学び、どうやったらもっとうまくいったのかということを考えることはとても面白いことです。

他にもたくさんのことがありますが、そういうものが主な強みなんだと思います。もちろん、統計などの追跡も行います。ええ、私はそれらが大きな違いであると思います。

Geoff Ralston
Michael、ありがとう。

Michael Seibel
ありがとう。

Geoff Ralston
OK。さて、半分終わりましたね。明日は朝10時から始まります。もう既に席を外して帰ろうとしている人は私の最後の知恵を聞き逃してしまいますよ。それは、Michael がAプラスの投資家について言及した事です。

創業者にとって、投資家がAプラスではないとわかりやすいのが投資家が自らの事をAプラスの投資家だと主張する時です。素晴らしい実績があることは良いことです。もしあなたがたがすでに多くの企業や大企業に投資したことがあるとしたら、それはおそらくいい兆候です。

ですが、たとえあなたがたくさんのお金を投資によって得たからといって、そこには重要な運の要素があるということを忘れないでください。もしあなたが幸運な人だとしたら、例えば、YCのこのバッチで1つか2つか3つの企業を選んでその企業が数十億ドル規模の企業になったとしたら、それは素晴らしいことです。でも、たとえそうなったとしても、あなたがAプラスの投資家であるとは限りません。

 

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